令和3年度 地域連携・研究推進センター活動報告書第8号
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企業を対象とした適塩教室 281.はじめに 米沢市は、虚血性心疾患や脳血管疾患の標準化死亡比(SMR)が全国と比較して高く、基礎疾患である高血圧や糖尿病の国保入院・外来医療費も高額である(第2期データヘルス計画)。平成27年度特定健診受診者を対象とした山形県コホート研究によると、米沢市の1日の推定食塩摂取量が12.1gという実態と、年齢とともに食塩摂取量が増加しており、食塩摂取量の増加に伴い高血圧や糖尿病の罹患率が高くなっているという特徴が明らかになった。国の食塩摂取目標値である8g未満(健康日本21第2次目標)との差は大きく、目標値を達成するための方策が必要である。 このようなことから、適塩を促すための情報提供や環境整備が必要であり、働き盛りである青年期・壮年期の時期から高血圧や糖尿病の発症リスクを管理できるような生活習慣を獲得することを目的とし、企業の従業員を対象に適塩教室を実施した。 本事業は米沢市より業務委託を受けて行ったものであり、2年目となる。 2.経過 (1) 実施内容 米沢市内企業8社の従業員358名(1年目企業4社:184名、2年目企業4社:174名 を対象に、次の内容により適塩教室を実施した。 ① 尿検査:随時尿による推定1日食塩摂取量の分析 簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ):栄養素や食品の摂取状態の推定 (1年目企業のみ) ② 資料配付と健康講話等 1) 個人結果を返却し、その見方を説明 2) 全体を解析した調査結果を説明 3) 尿検査やBDHQの結果に基づき、食塩摂取に関する講話を実施 ③ 食塩摂取に関する知識及び食塩摂取に対する意識の変化についてアンケート調査 ④ 塩分チェックシート(1年目企業のみ) ⑤ 事業評価アンケート(2年目企業のみ) 金 谷 由 希 実施期間:令和3年7月~令和4年3月 担当教員:金谷由希 連携機関:米沢市健康福祉部健康課

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